独立した話だけどリンクしてる部分もあったり。それは気にしない。
一応クラルーは付き合ってはいません。でもイイ関係です。
告白はしてないけど好きあってるけど内緒の関係



pain・1









「クラウドとティファはいい仲なんだろ?お前にゃ無理だろー」



だらっとソファに座りながらレノが笑う


ルードが目の前でなんとも気まずそうに立っている



「ルード先輩彼女がお気に入りなんですか?」



そんな会話に珍しく入り込むイリーナがルードにコーヒーを渡した

ルードの照れたような反応を見てふうん、とイリーナは気付かれないように笑った



「でもティファはクラウドとできてるから無理だぞ、と」


「そうなんですか?!」


「だよな、クラウド」



窓を眺めていたクラウドの肩がピクリと動く


答えはない



「だよな、社長」



レノがルーファウスのデスクに近付く



「さあ、私は知らないが」



興味無さ気にパソコンをいじるルーファウス



「クラウド言っておいたほうがいいって!ルードがティファ狙ってるぞ、と」

「レノ!」



レノの言葉を遮るようにルードがレノを呼ぶと、クラウドが振り向いた



「諦めるように言ってやって」



「ティファは子供達の母親的存在だ。アンタじゃ父親になれないだろ」



クラウドの言葉にイリーナが寄ってきた



「じゃあクラウドが父親なの?」

「だろーな」



レノが笑いながらクラウドを見る

不機嫌そうにレノを睨むクラウドの隣で

ルーファウスがパチン、と音を立ててEnterを押した



クラウドがその音に驚いた様にルーファウスを見ると

ルーファウスがEnterを押した指先を眺めていた


他には聞こえていなさそうだ

とすると、たいして大きい音ではなかったはず



「あの言い方じゃやっぱりティファは渡さないって意味だろ」



楽しそうに会話を続けるレノ



「そうじゃない」



否定するクラウドに、またまた〜とレノが笑う



「…付き合ってるのか…?」



ルードの言葉にクラウドが少し、驚く



「やっぱデキてるぞ、と」


「そうじゃない!」


「うそつけ!じゃあティファ連れてくるぞ、と」





「社長大丈夫ですか?」



イリーナがルーファウスに近付くと

クラウドが素早く目線をルーファウスに移した


Enterを押した指先をイリーナに見せてルーファウスが口を開く



「爪が割れただけだ」


「深く割れちゃってますよ、痛くないですか?」


その言葉に、レノがルーファウスを見る


「わ、馬鹿社長」



「解雇」

レノの言葉に、ルーファウスとルードとイリーナが声を合わせた


「わ、ひで〜!」




「ずいぶん賑やかだな」



ツォンが外出から帰ってくると

イリーナはすぐにお茶を入れた



「ルーファウス様、爪伸びていましたよね?」



つめ切りを取り出すツォンを見てみんなが笑った



「な…なんだ?」


「ツォンさん社長の奥さんみたいだぞ、と」



当たり前のようにルーファウスの手を取り、ツォンが爪を切ろうとすると

ルーファウスが「自分でやるよ」と言う前にクラウドがつめ切りを取り上げた



「それくらい自分でやらせろよ」



ツォンが無言でクラウドを見ると、レノがツォンに寄っていった



「今クラウドとティファが付き合ってるって話してたんすよ」


「またそんな雑談してたのか」


「ティファ渡さないオーラすごいくせにクラウドの奴、認めないの」



ツォンが爪を切るルーファウスを見てから、クラウドを見る



「クラウドの好意を寄せる相手はティファなのか?」


ツォンらしくない、思いがけないその言葉に

その場の全員の視線がツォンに集中した



クラウドがかたまると

ルーファウスが頬杖をついて、爪きりでルードを指さした



「キミの好意を寄せる相手はティファなのか?」


「しゃ…社長…」



ルードが顔を赤くすると、レノは不機嫌そうにルードを見た


ツォンがクラウドの肩をぽん、と叩く

そしてクラウドにしか聞こえないほどの声で話す



「彼女がそういう意味での特別なのか?」



クラウドがツォンを睨むと、ツォンは見下ろすようにクラウドを見た



ルーファウスは二人に見向きもせずに

イリーナを手招きする



「イリーナ、レノとルードを連れておつかいに行ってきてくれ」



任務を言い渡すとイリーナは笑いながら、はい、と答えた



「行きますよ先輩たち!」










三人が去った後

ルーファウスが脚を組んでクラウドの方に椅子ごとくるっと向いた



「悪かったな、だが彼らに悪気はないんだ」



不機嫌そうなクラウドに、ツォンがまた肩を叩いた



「私が戻ったからクラウド、君は帰っていいぞ」


「ルーファウスと二人で話がある。アンタは席を外せ」



睨み合う二人を眺めてルーファウスがため息をついた



「ツォン、今日は帰っていい」

「しかし…」

「今日はイリーナ達も定時より早く終われる任務だから
たまに君たち四人で食事でもしてこい」



ルーファウスは強引にツォンに小切手を渡し、使わなかったら解雇、と笑った






「何かあったらすぐ連絡を」

「わかっている」













「話ってなんだ?」



ツォンが出るとルーファウスはパソコンの電源を落として書類を出した



「…ティファは彼女じゃない」



持っていたペンで軽く自分の口を押さえて

ルーファウスが笑った



「ああ、君は前にも、そう聞かせてくれたよ」



ルーファウスはそう言うと、書類に視線を落としペンを構える


少しの間の後、ルーファウスはまたクラウドを見上げた



「…話…他には?」


「無い」



ルーファウスは楽しそうにふっと笑い

クラウドがそんなルーファウスの髪を撫でながらため息をついた



「みんなに言うか?」


「何を?」


「俺たちの関係」



ルーファウスは大袈裟に手を振った



「それはやめてくれ」



ルーファウスが拒否するのはわかっていた


世間体とか、色々気にする奴だから




「でも、ツォンは気付いてるんじゃないか?」

「だからといって、言う必要はないだろう」


「ずっと隠してるつもりか?」



クラウドの真っすぐな目に、ルーファウスは目が離せない



「…堂々と会いたいとか思わないか?」


「口実なんていくらでも作れる」



クラウドはまた、ため息をついてルーファウスの手を握った



「ツォンとか、他の奴に気やすく触らせるなよ」



きょとんとしてからルーファウスが笑った



「気を付けるよ」





「明らかにツォンはアンタを好きだよな?」



ルーファウスが書類で顔を隠しながら欠伸をして首を振る



「タークスは全員恋人がいる」



私には君が、と笑うルーファウスに、クラウドは眉をひそめて笑った


ルーファウスの笑い方に、クラウドが似てきたのを

どちらも気づいてはいない



「ああ、俺にはアンタ」



クラウドはルーファウスの書類を取り上げ、デスクに置いてキスをした





























二日後

セブンスヘブンに珍しくルーファウスとレノが来た



「クラウド?」



ティファが聞くと、レノが「食事に来ただけだぞ、と」と笑いながら座った



ティファの後ろからひょっこりとユフィが顔を出す



「あー、招かれざる客」



レノがその言葉に顔を顰め

ルーファウスは気にもしてない顔で、やあ、と答えた



レノが一歩前に出てユフィを見る



「お前住み着いてんのか?」


「手伝いに来てるだけだよ」




「マリンは寝てるか?」


ルーファウスの言葉にティファが首を縦に振る



「ルーファウスに会いたがってたよ」



ルーファウスが、マリンとデンゼルに、とティファに紙袋を渡した



「えー!ありがとう!明日ちゃんと渡しておくね!なになに?」



「本だ。前に話を聞かせてな、その本」



その時クラウドが入ってきた



「あ、クラウドおかえり」


「邪魔してるぞ、と」



二人に続いてルーファウスが、食事をしにきた、と片手を上げて挨拶をした



「ついでだからクラウドも一緒に食べなよ、待っててね今作るから!」



そうだ!とティファがルーファウスからもらった紙袋を見せてクラウドと話をしている


その姿を見て、レノがルーファウスに耳打ちした



「付き合ってると思いません?」



ルーファウスは脚を組んで二人を見た



「レノは、ティファに彼氏がいたほうがなんとなく安心なんだろう?」


「へ?」



ルーファウスがレノを見ると、レノが視線を外した



「心配しなくてもルードは一途だ」

「しゃ…社長!違うって!」



にっ、と笑うルーファウスに、レノは顔を赤くして怒った



「俺はルードに彼女を作ってやりたいんだぞ、と」


「そうか?」




クラウドが向かい合って座る二人のテーブルの前で首をかしげ、二人を見た



「座れば?」



ルーファウスが少し奥にズレると、レノが慌てて自分も奥にズレた



「社長の隣は座るな」



そう言うレノを見下ろし、クラウドはルーファウスの隣に腰を下ろした



「おいクラウド!」



ルーファウスの「かまわん」というジェスチャーに

レノは席に着いた



「こいつもルーファウス信者かよ…」



クラウドの呟きにルーファウスが噴きだした



「おう、社長とは深い仲だぞ、と」



クラウドがレノとルーファウスを交互に見てルーファウスを睨む



「深い仲って…」

「彼なりの冗談」

「子供のクラウドくんには難しい関係だぞ、と」



テーブルの下でクラウドがルーファウスの足を足でつつく


ルーファウスはまるで知らん顔



「アンタらそういう関係なのかよ」



またしてもクラウドの呟き

レノが笑いながらルーファウスの手を握る



「そうだぞ、と」



ルーファウスがまたも噴き出すと、クラウドがうんざりした顔でルーファウスを睨んだ



「ルードも呼ぶか?」

「社長!」



クラウドがそのレノの反応に

へえ、と笑う



テーブルの下でクラウドがルーファウスの手を握ると

ルーファウスがそれを握り返した





「お待たせ」



ティファの声に驚き、クラウドは素早く手を離す



「ティファ、アンタ付き合ってる奴とかいんの?」



レノの突然の言葉にティファが一瞬固まった

テーブルに食事を置く手が震えている



「ど…どうして?」



「ティファにはクラウドがいるんだからダメだよ!」



すかさずユフィが会話に入り込む



「やっぱそうだろ!」

「うん、公認のカップルだ」



レノのテンションがあがる



「ユフィ!違うよ!」



ティファが慌ててユフィを押さえる



クラウドとティファの目が合った



「だってアタシ見たもーん。北の大空洞に行く前に
二人がベッタリくっついてイチャイチャ…」



「ユフィったら!」


「しかも夜は二人きりだったから…」


「もうやめてよ!」




ティファが真っ赤な顔でユフィを引きずってその場を去る




ルーファウスが横目で、レノは真正面から

クラウドをじっと見た



「やっぱりそうだったぞ、と
クラウドなんで隠す…」


会話をさえぎるようにクラウドが「とりあえず食うぞ」と言って食事を始めた



ルーファウスもそれに続いて食事を始める










「ユフィ、クラウド、他に好きな人いるんだよ」


泣きそうな顔でこっそりと、ティファが囁く


「えー…嘘…だって…」


慌てたようにユフィがティファの顔を覗き込む


「本当。クラウド、絶対他に好きな人いるから」

「マジで…?」

「うん」


「…あんなこと言っちゃって、ごめん、ティファ」



隅のほうでティファを庇うように肩を叩くユフィ



クラウドがそこを気にしながら食べる






「おい聞いてんのかよ」



レノに頭を叩かれ、クラウドがハッとレノを見た



「なんだよ」



ルーファウスは肩を竦めてレノを見る



「そんなに気になるなら行きゃいいだろ、と!」


「アンタがヘンなこと言うからだろう」


「俺のせいかよ!なんで黙ってたんだよ!
ティファんトコ行ってやれよ、と!」


「関係無いだろアンタには!」



ルーファウスがテーブルを指先で

コツコツ、と叩いた



「食事中だ。もう少し、静かに話を出来ないか?」



「…だって、あの状況で付き合ってることをさ
否定も肯定もされないで、みじめな思いしたんじゃないか?」



レノの言葉に、クラウドは言い返さずに立ち上がる



「座って食べたらどうだ?それともティファのところへ?」



そう言うルーファウスを睨んで

クラウドがため息をついた



「行けって?」



ルーファウスが眉間にしわを寄せる



「どうしたいんだキミは」


「アンタは?アンタはどうして欲しい?」



ルーファウスは不思議そうな顔をしてクラウドを睨む



「意味がわからん」



レノが立ち上がりクラウドを引っ張った



「アンタまさかさ、ティファ以外に好きな人いるんだろ…」



そう言ってレノはルーファウスを見る



「俺は…」


「座れ」


ルーファウスが眉間を押さえて言うと


二人が力が抜けたように座った



ルーファウスが不機嫌そうな顔で食事に手をつけ始める


ふたりもそれに続いた








三人の食器を下げに来たユフィが

クラウドを睨んで無言で去っていく



「恨まれてるぞ、と」


「…」


クラウドは不機嫌そうに

何も無い場所に視線を集中させる



ルーファウスが立ち上がったと同時に

クラウドも立ち上がりティファの元へ歩いていった



ルーファウスは気に留める様子もなく

レノにカードを渡し会計を任せると外に出た
















「なあ社長、クラウドとデキてんだろ?」


帰りの車内

レノが運転をしながらルーファウスに話をかける



「なぜそうなる」


「…社長とクラウド見てて、なんとなく」



「なんだそれは」



「…それともクラウド、エアリスがまだ好きだとか?」



「エアリス…あの古代種か」








「あれ?ツォンさん?」


レノがルーファウスを送り届けると

家の前に車が停まっていた



ルーファウスが無言で降りると、レノが窓を開けた



「大丈夫?俺も一緒にいようか?」


レノの気遣いにルーファウスが眉間にしわを寄せて微笑む


「心配ないよ、もう」




「…社長さ、アンタそんな態度だと浮気されるぜ?」



ルーファウスが振り返りレノを見る



「誰に?」


「…クラウドだか誰だか知らないけど」


「クラウドは相手がいるんじゃないのか?」



レノが少し考え、ルーファウスに手を振って車を発進させた

















「ねえクラウド、ティファ以外にも好きな人いるって本当?」



ユフィがあぐらをかいてクラウドを見る



クラウドは行き交う人を眺めながらビールを飲んでいる



「ねえ本当?」


黙るクラウドにユフィが呆れたようにため息をついて

立ち上がる



「ねえってば、誰さ。今更誰さ」



「ルーファウス」



クラウドの口から飛び出した言葉に

ユフィは目を丸くして絶句した



「あ…あんた…なに…」



「あいつが知ってる」



その言葉にほっとして、ユフィが汗を拭いた



「驚かすなよー。もうやめてよね」

































「どうした?」



車の窓を全開にした枠に

ルーファウスが手をかけてツォンを見る



「…いいえ、ルーファウス様のお顔が見たくて」



ルーファウスが薄く笑って屈む



「何かあったな?イリーナか?」


「いいえ、貴方です」


「…私?」


ルーファウスの表情が曇り

ツォンの胸が痛む



この人の手を離したのは私。






フェンリルの音が聞こえてきて


ルーファウスがゆっくりと振り向いた



「ルーファウス様、また出直しますね」


「話があるなら家に入れ」


「いいえ、また」







「ツォンか?」


フェンリルを降りて

サングラスを外しながらルーファウスの元に来るクラウドに

ルーファウスが微笑む


その姿、仕草が格好いいと、思った



「…なんだよ」


「いいや」



ルーファウスに続いてクラウドも家に入る










「なんでアンタ言いたくないんだ?付き合ってること」



風呂上りのルーファウスを眺めながら

クラウドがビールを煽る



「キミ、私より酒強いよな」


「話をそらすな」



「キミは何故言いたい?」



ルーファウスはクラウドの隣に座り

クラウドを見る



「堂々とできるし、はっきり伝わる」



ツォンに。そう言おうとすると

ルーファウスが先に口を開く


「ティファに?」



クラウドが黙り、少し考える


「ティファは、俺じゃない方が幸せになれると思う」



ルーファウスが足を組んでクラウドのビールを飲んだ



「不味い」

「わかってるんだから飲むなよ」



「幸せにする自信がないから彼女と一緒にならないと言いたいのか?」



クラウドが眉間にしわを寄せてルーファウスを睨む



「そんなことは言ってないだろ」


「じゃあどういう意味だ?」



ルーファウスは冷めた目でクラウドを見る



「みんなに言いたいのはアンタが俺のものだと知られたいからだ」


「キミは仲間達にどう見られるか不安ではないのか?」


「…アンタはそれが不安で言いたくないのか?」


「世間体の問題だ。タークスは恐らく全員知っているからな」

自分が男と関係するような人間だと知ってると思う、と小さく続けた



クラウドがルーファウスの髪を撫でて

バスローブの隙間から手を入れて太腿を撫でる



「俺には、そんな不安は無い」



ふふっと笑いながらルーファウスがクラウドの手を掴む



「明日、ここの合鍵ができるから、
そうだな、明日はツォンがいるから明後日にでも取りに来い」



「ツォンねぇ…わかった、取りに行く」



クラウドがルーファウスの手を掴みかえし

ソファの背もたれに押し付けてキスをする



「ツォンってアンタにとってなに?」



ルーファウスは眉間にしわを寄せてクラウドを見た


「なぜツォン?」

「あいつアンタが好きだろう」



ルーファウスは何も答えず、眉間にしわを寄せたまま笑った

















ベッドの上で服もバスローブも脱ぎ去り


電気も消して暖め合う



その最中、クラウドが何かの気配を感じた



「…クラウド…どう、した?」



激しく繰り返される腰の動きに

ルーファウスの言葉が途切れる



クラウドはルーファウスにキスをして

髪を撫でる



「いいや、なんでも…」





















「どうかしたか?」



目眩がした。

言わずにルーファウスは首を横に振る


「いや、なんでも」


「アンタ今日なんか熱っぽい」



自分を抱きしめるクラウドの腕に触れ

ルーファウスがその指先を握る



「指先冷えてるぞ、珍しい」


「アンタやっぱ熱あるだろ」



その時クラウドの携帯が鳴る




「ユフィ?なんだ?」








クラウドが携帯を切ると、ルーファウスを撫でる


「一人で大丈夫か?」



「ああ、何かあったか?」


「いや、怪我したって」


「誰が?」



「…ティファが」



何となくバツが悪そうな表情に

ルーファウスは薄く微笑み返した



「そうか、大事ないといいが」


行かないで欲しいか?

頭の中でそんなことを考えながら

クラウドがルーファウスをまた、撫でる


ルーファウスは、やきもちは焼かないのか?



「…ああ」



立ち止まっているクラウドに

ルーファウスが上着を渡す


「早く帰れって?」


受け取ったクラウドが、目を細めて上着を眺める


「そうじゃない、急ぎじゃないならもう少し…」


「アンタ、これから誰か呼ぶか?ツォンでも呼ぶ?」



ルーファウスはため息をついて自分の髪を梳く



「そのつもりはないが、呼んで欲しいのか?さっきから…」

「ティファが心配だから戻る」



上着を着ながら歩き出すクラウドの背中を

ルーファウスが眺める



止めもしないし話もかけてこないのか

クラウドが少し苛立ちながらドアを開ける


アンタが関係を知られたくないのって
本当は他に理由があるんじゃないのか?


言いたくて、言えなくて

クラウドは外に出た





クラウドの苛つきの原因が自分だろう事以外

ルーファウスはわからなかった











クラウドが寝るかねないかくらいの時間

ルーファウスはコールを慣らした



「出ない…」



話を聞きたい


嫌がるだろうと思いつつ

ルーファウスはセブンスヘブンへと向かった



少し離れた場所に車を停め

歩きながら考える



携帯、この時間にとらないのは、寝てるからかわざとか



ぴたりと足を止めると

少し離れた場所から見える見慣れた姿


クラウドの肩にもたれるティファ

ティファの肩を抱くクラウド






動けないでいると、後ろから気配を感じた




「あれ?ちょっとアンタ!」



ユフィが小声でルーファウスに近づく



「キミか。何だ?」



特に驚く様子も無く、ルーファウスは振り返る


「なんか用?」

「ああ、クラウドに話が。電話に出なかったものでな」


ユフィはニヤニヤしながらルーファウスをつつく



「お取り込み中でした〜」

「出直した方がよさそうだな」

「そりゃそうでしょ」



歩き出そうとするルーファウスに

ユフィが一歩近づく


「ねえあのさ、クラウドの好きな人、ティファじゃない人。
知ってるんでしょ?」


ルーファウスが眉を片方だけ上げて腕組みをする



「それは私にではなく、本人に聞くべきでは?」




「聞いても教えてくんないんだよね。
でもあんなにティファとはイイカンジっていうか
なのになんであんななったんだろうって思って。
クラウドの浮気かな」



「彼は浮気をするタイプか?」

「…わかんない。でもティファがいるのに今二股してるんじゃない?」



ユフィが地面を蹴る



「クラウドの相手を知ってるならさ、伝えといて。
クラウドは絶対ティファに戻るから泣く前に手放せって」



「…本当に彼に相手がいるのか私は知らんぞ?」



「…でもティファが、絶対他に好きな人がいるからって
もう泣く勢いだった。
アンタ最近クラウドと仲いいんでしょ?」


「…仕事で一緒にいるだけだが?」



ユフィが頭をぐしゃぐしゃにしながら小声で叫ぶように喋る


「わかんないー!だってクラウドが言ってたんだもん
ルーファウスが自分の好きな人知ってるって!」



ルーファウスは眉間を軽く引っ掻いて

ため息をついた



「彼が何故そう言ったのか、私には理解できん」



ティファを気遣うようにセブンスヘブンに入っていくクラウド

二人を眺め

ユフィが少ししてクラウドの部屋を指さす



「二人の影がまだあの部屋にあるのに電気消えた。本当にお取り込みだよね」


あー、アタシもかえろーっと、呟きながら姿を消すユフィを見送って

ルーファウスがクラウドに電話をかける



なにもないとしてもまだ、起きてるはず





途切れないコールに

話を諦めルーファウスが車に向かった


















































次へ

クラウドとティファは、ティファの片思い。
ルーファウスはツォンとデキてた設定。
続く。