instability |
夏は終わったと、冷たい風が告げる 暖かい太陽が出ていても空も風も秋のにおい 最近ルーファウスを外に連れ出す事が増えた それはルーファウスのリハビリの為という目的がある 早く普通に歩き回れたら 秋晴れの空を見上げるルーファウスを呆っと眺めながら 俺はそんなことを考えていた ルーファウスが口を開こうとした瞬間 俺の携帯が鳴った 「なに?」 携帯には出ずに ルーファウスに問いかけると 「出てやれよ」 苦笑してルーファウスが答えた 電話はすぐに終わる仕事の依頼 隣で聞き耳を立てていたルーファウスが行って来いと手を振った 「一緒に行くぞ」 「仕事は一人でしてくれ」 「アンタ一人残していけないだろ」 「失礼だな。平気だ」 「…送っていく」 ルーファウスの家より近いセブンスヘブンでルーファウスを降ろし ここで待ってろと言うとルーファウスはなんとも言えない複雑そうな顔を見せた 「すぐ戻るから待ってろ」 「わかった…」 「入れよ」 「見送るよ」 ルーファウスの頭に手をポンと置いて 俺は少しだけ笑って見せた 「行って来る」 ルーファウスは困った様に笑った 「ああ、気をつけて、行ってらっしゃい」 簡単な仕事を片付けてセブンスヘブン戻ると まずティファの顔が見えた 「お帰りクラウド」 「ああ」 店内を見回す俺に ティファが料理をしながら声をかける 「…ルーファウスなら、上に…」 「おかえりクラウド」 上から嬉しそうにマリンが降りてくる 「ああ、ただいまマリン」 「今ね、ルーファウスに色々教えてもらってたの」 「…そうか」 マリンがまた上に引っ込んでいくと ティファが俺に飲み物を差し出す 「クラウド、ずっとルーファウスといるの?」 「…仕事でな」 「仕事だけ?」 飲み物を一口飲んで ティファを見る この気持ちも関係も 悟られてはいけない気がした 「ただの、取引相手だ」 「ねえ、ルーファウスは信用できる?」 握っている手に力が入った それは、俺にもまだわからないから でも俺は 「できるわけがない」 「ルーファウス、気をつけてね」 マリンの声に俺、そしてティファもハッとした ルーファウスが降りてきていた ゆっくりで、気付かなかった ルーファウスは普通の顔をして 俺にお帰り、と ルーファウスはマリンを撫でて ティファと俺に「ではな」と言うと外に出る方向へ向かう 「まってルーファウス、一緒にご飯食べない?」 ティファの言葉にルーファウスが笑う 「すまない、仕事があるもので、また今度呼ばれてもいいだろうか?」 ティファは笑って首を縦に振る 「送るか?」 そう言う俺に、ルーファウスが首を横に振った 「車が来ているから」 ゆっくりとした歩調で出て行くルーファウスに マリンがまた来てね!と手を振ると ルーファウスは優しくマリンに微笑んだ 「ああ、またな、マリン」 「ねえクラウド、ルーファウスは信用できないの?」 マリンの突然の問いかけ 「…どうして?」 ティファがマリンに聞くと マリンは不安そうにティファを見た 「だって二人が話してたじゃない。 ルーファウスにも聞こえてたんだよ?」 マリンはルーファウスの心配をしていたのだ 子供はすごいと、思う ティファがマリンの前まで歩いていき マリンの肩を優しく掴んだ 「マリンはルーファウスが、好き?」 「うん!」 「そう、それならルーファウスは、信用できるね」 食事をして マリンが寝た後 ティファが俺の部屋を訪ねた 「クラウド、今日はマリンに悲しい思いをさせたかな」 俺はそれよりも 信用できないという言葉をルーファウスが聞いていたことが 気になっていた 「…そうだな」 「ねえクラウド、ルーファウスは本当に、信用していいかな?」 「それは俺も、わからない」 正直に、特別な感情を抜きに ルーファウス神羅という人間のことを考えると 印象もイメージも俺達にとっては最悪だから ティファが危惧する気持ちは当たり前だと思う 「クラウドが、今近くにいるなら、どう思うの?」 「…俺は……信じて裏切られるのは、辛いと思う」 俺をルーファウスが信じたなら あの言葉を聞いたルーファウスの気持ちはどうだっただろうか 「でかけてくる」 「…ルーファウスのところ?」 「…」 「ルーファウス、クラウドの話ばかり聞いてた」 「…どんな?」 ティファの表所が一瞬曇った ティファの気持ちはわかっている 俺は残酷かも知れない 「クラウドは、私達といる時、どんな感じなのかって」 「ティファ、すまん、でてくる」 「…うん、気をつけてね」 「ルーファウス」 合鍵で家に入ると ルーファウスは驚かずに俺を見て笑った フェンリルの音で ルーファウスは俺が来たことに気付くからだろう 「どうした?クラウド」 どうして笑う?そんな顔で 「アンタ、どうやって帰った?」 「そんな話は電話でもよくないか?」 ワインの空瓶が数本見える 「飲んでたのか?」 「レノが迎えに」 真っ赤なルーファウスの首 「どうした?」 「痒くて」 「血がにじんでる」 「掻きすぎて」 眉間にしわを寄せてルーファウスが笑った ワインを喉に流し込む、その白い喉を眺める 「俺には?」 ルーファウスが冷蔵庫からビールを出す ルーファウスが飲まないビールは あきらかに俺専用のもの 「ほれ」 俺に差し出す腕を掴み 抱き寄せようとすると ルーファウスはやんわりと俺を避けた 「ビール、が…」 泣きそうな笑顔は気のせいだろうか 聞いてたんだろう?話を でも本当は いえないまま ビールを受け取る 手も触れないまま 「で、どうしたんだ?」 ほかに用事は?と言うルーファウスに 俺はビールを飲みながら考える ビールを一気に飲み干す俺に ルーファウスは目を丸くした 「アンタに会いたかったと言ったら?」 強ばる表情 そして、笑い損ねたような表情を見せるルーファウスが口を開いた 「何故?」 俺は額を押さえて ルーファウスを見た 「聞いてたのは、知っている」 「私を信用はできないということ?」 普通の表情で、サラっと言った 「…そう、だ」 戸惑ったのは俺の方だった 「信用できなくて当たり前だと、わかってる」 テーブルの上に見知らぬ煙草 俺はソレを手に取り火をつけた 「誰の?」 揺れる煙を 無表情のまま無言で眺めるルーファウス 俺は煙草を吸って ルーファウスを引き寄せた キスをして 口の中に煙を吐くと ルーファウスが咳き込んだ 「コレ、誰の」 俺の問いかけにルーファウスは 目を合わせなかった 呆っと煙草を眺めるルーファウスの髪を触ると 俺の目を見た 「なあ、アンタは俺を信用してるのか?」 「キミに命を預けてる」 ルーファウスは 表現しきれない様な 無邪気な表情を見せた 俺は、自分が恥ずかしくなった ルーファウスとの関係 ルーファウスへの感情 これを恥じるのは この感情よりもずっと罪なのではないだろうか 「わかってるよ、私のしたことの罪の大きさは」 信用されないことは当然だから、と笑って呟く 抱きしめることすら出来なかった どうしてそんな泣きそうなのに笑えるのか どうして俺はすぐに抱きしめることが出来ないのか 「でもクラウド、信用しなくてもいいから」 俺の持っている煙草の煙を眺めるルーファウスが 薄く笑って 俺の首に抱きついた 「少しだけこうしててもいいだろうか?」 震えてるのにはすぐに気付いた 抱きしめれないでいると ルーファウスは遠慮がちに離れ 「すまない、飲みすぎたようで…」 そういって笑った 離れようとするルーファウスの腕を掴むと ルーファウスが俺の手を払った 目が合った瞬間 ルーファウスは怯えるように笑った 目を離さないでいると ル−ファウスは 声を出して笑った 「どうしたクラウド」 明らかにムリしてるように 「あんたを信用できない」 目を見てそういうと ルーファウスが大きく頷いた 「わかってるから」 いつもと違うルーファウスを見て きっと特別な感情を持っていると ルーファウスもきっと 「ルーファウス」 名前を呼ぶと ルーファウスはピタリと動きを止めて 俺はその身体を後ろから抱きしめた ピクリと肩が揺れた 「俺が気持ちも無い奴を抱ける男じゃないことくらい、わかるよな」 ゆっくりと、ルーファウスが俺の方を向く 「信用できない男相手に…」 「うん」 「キミはどういう感情を?」 「…わからないか? 用事が無いのに来る理由も 酷い事を言ったと思って、来た理由も」 ルーファウスを抱きしめると 震える手で控えめに抱きつく 「アンタとの関係、みんなに言ったっていい」 ルーファウスが泣きそうな顔で目を細める 「そんなこと言わなくていい」 「信用しきれてないのは 俺が自分の、アンタに対する感情に気付いたからだ」 わかるかと聞くと、さっぱりわからない、と首を振った 「アンタに、特別な感情がある。 だからこそ、その感情に流されてしまうのが怖い」 「…私を無理に信じようと、しなくていい」 そんなのは意味が無いからな、とルーファウスは ぼんやりとした目で俺の喉仏を眺める 「もっと、しっかり抱きついて」 俺の言葉の後に ルーファウスが手に力を入れる 俺にしっかりと抱きつくルーファウスを しっかりと抱きしめた アンタは俺に特別な感情は? 聞けないまま キスをした 背中の筋を舌でなぞり 腰に指を這わせながら首筋を吸うと ルーファウスの身体が小さく跳ねた 「クラウド、それ跡残る…」 「残してんの」 自分のキスマークがくっきりとルーファウスの首筋についたのを 満足そうに眺める 跡をつけた場所をルーファウスが撫でる 「やったな…」 「綺麗についた」 ルーファウスが俺の方を向き 首に抱きついて首筋を舐めて 吸い付く ルーファウスがキスマークを確認して、満足そうに俺を見上げた 「お返しだ」 フッと笑ってルーファウスを抱き締めながらキスをして そのままルーファウスの細い身体の線をなぞると ルーファウスは反応を返しながら俺に強く抱きついた 塞がれたルーファウスの唇から吐息が漏れる 唇を離すと ルーファウスが俺の腕に捕まり起き上がり 俺の中心へ唇を寄せる 俺の硬くなったそれを口に含み 舌を使いながら口を動かすルーファウスの頭を撫でながらその光景を見下ろす いやらしすぎて、なんとも言い表わせない気持ちに襲われる 俺のを口に含んでいるルーファウスの後ろの蕾にローションを塗ると ルーファウスの身体が緊張したのか力が入った 「ルーファウス、乗って」 できるだけ優しく ルーファウスの手を取り自分の上に誘導すると 俺を見るルーファウスの表情に恥じらいが見えた 困ったような恥ずかしそうな表情 紅くなった頬 なんか、珍しい反応だ 「おいで」 そう言うと、ルーファウスがゆっくり俺にまたがり 肩にしがみついた 顔を見せないように俺の肩に額を寄せて ゆっくりと沈む その腰を掴み、俺もゆっくりと腰を上に上げた 「はっ…あ…」 俺に掴まる手に力が入る 奥まで埋まると もう一度引き抜き、またゆっくり沈む 「キツい?」 その言葉にルーファウスが苦しそうに首を横に振る 「クラウド…動いて…」 ルーファウスの髪を撫でながら 速度を上げながら腰を上下に動かす 「はっ…あぁっ」 自分からも腰をうねらせるルーファウスの表情は妖艶に 俺の思考回路を占領する 「ルーファウス」 気持ちいい、と言いそうになり、やめたり イイか?と聞きそうになり、やめたり 「ルーファウス、声我慢しないで聞かせて」 「やっ…やだ…」 「聞きたい」 うらめしそうに俺を見るルーファウスに微笑むと ルーファウスが目を丸くして顔を赤くした 激しく腰を動かしながらルーファウスを眺める 「やっ、ああっ!クラウド!」 俺の名前を呼ぶその声に、俺は更に興奮した 激しさを増す動きにルーファウスは必死に俺にしがみつく 「はっ、ああっ!ん…ああっ!」 l繰り返す摩擦の刺激 「ルーファウス、キツい…」 「だめ、クラウド待っ…」 「ダメ、止まれない」 「や、待っ…は…ああっ!クラウド、クラウド!」 のぼりつめる快楽に身を任せ 先にイッてしまいそうな不安をよそに ルーファウスが首を振りながら俺に強くしがみつき果てる 「ルーファウス…」 俺も追うようにルーファウスの中にすべてを吐き出した 俺の息も上がっているが ルーファウスは肩で息をしている 飲み込みきれない俺の物がルーファウスの中から零れると ルーファウスは小さく喘いだ 「ルーファウス、抜くか?」 いまだに小さくならない俺の物を確認すると ルーファウスが優しく微笑んで首を横に振った 「このままで、もう少し、」 俺はルーファウスの頬を撫でながら苦笑した 「また、動きたくなるんだけど」 ルーファウスが笑いながら俺の肩を叩いた 「タフだなあ、ほんと」 繋がったまま、ゆっくりルーファウスをベッドに寝かせ ルーファウスの腰を掴み 抜き差しをゆっくり繰り返す ルーファウスが身体を反らせた 「は…んっ…」 ゆっくり動かしながら、ルーファウスの顔を覗き込む 何人がこの身体を抱いたんだろう 何回誰かに抱かれたんだろう ルーファウスの、大切なものを そういえば俺は知らない気がする 俺、ルーファウスのことどれだけ知ってるんだろう 俺はルーファウスにとって、どんな存在なんだろう 「なあ、アンタ俺が消えたら、どうする?」 なんとなく出た素朴な疑問だった 例えば俺が目の前から消えたりしたら ルーファウスは少しは探したり悲しんだりするだろうか そんな疑問 ルーファウスの俺を見る顔が強ばる 「…私は…何て答えたら…?」 「なんでもいい、どうする?」 「いやだ!」 一筋の涙がルーファウスの目から流れる様子を見て 俺は自分の胸が痛む音を聞いた 「…ちょ…な…なんで泣くんだよ」 ルーファウスはハッとして、自分の目尻に触れた 「…違う、泣いてない」 両手で自分の顔を覆うルーファウス 「泣いてない」 「ごめん」 ルーファウスの両手を掴み ゆっくりよけて顔を見る 「ごめん」 瞼にキスをすると 擦り寄るようにルーファウスが抱きついてきた 逆にルーファウスが俺の前から消えたら 俺はどうするんだろう 「いなくなりたいのか?」 小さく呟くルーファウス 「…いいや。もう少しアンタを見ていたい気がする」 ルーファウスが俺の身体から手を離し 俺を睨んだ 「少し?少しか?少ししたらもういいのか?」 俺は必死なルーファウスを見て噴き出し 声を出して笑った 「アハハ!」 ルーファウスが俺を間抜けな顔で眺め 額を押さえた 「真面目に聞いた私がバカだったのか…」 「いや、可愛い所あるよなアンタ」 「かっ…きさ…貴様…」 叩こうとするルーファウスの手を制する 「あっ、んあっ!」 急に腰を動かすと、ルーファウスが慌てて俺にしがみ付いた 「俺はまだまだアンタのそば、離れるつもりはないから」 ルーファウスが泣きそうな顔で 俺に笑ってみせた 「言葉なんか、無理して言わなくていい。 ただ、いきなりいなくなったりしてもらっては…」 「言葉が要らないなら、そんな泣きそうな顔するなよ」 俺が言うと ルーファウスが俺に強く抱きつく 「言葉よりも、今キミがここにいることが、私には重要なんだ、クラウド」 とても不安定な関係だと思う いつ終わってもおかしくない いつ裏切られても 裏切ってもおかしくない様な そばにいなければ不安で もっと確実な何かが欲しい それが何かがわからない |
酔っ払って書き上げたものを少し修正した。 ルーファウスが情けなくてなんかだな〜。 …ERO入ってて裏行きになった。 こうして読み返すとイクの早すぎに感じるけど たくさんやってたと思って適当に付け足してください。 |