君がいれば













どうして不安になるんだろう


どうして、全て欲しくなるのか




なぜ、満たされないのか










「ルーファウス」

「なんだ?」



呼ぶと必ず振り向き

視線をあわせる


時間が無くても会っている

一緒に暮すのを拒否するのは、何故だ?



「俺達、ずっとこのままか?」



片方、眉をあげてルーファウスはセフィロスを見上げる



「なに?」



何を言いたいのかと、問い掛ける視線に

セフィロスは真剣に返す




「時間が勿体ないと思わないか?」



ルーファウスはふっ、と笑い、自分の首をさする



「勿体ない…か?」

「ああ」



セフィロスの顔を覗き込み、ルーファウスが困ったような笑顔をみせた



「それは…どうして勿体ないと思ったんだ?」


「…一緒に、住んだほうが少しでも長くいられる…」


「驚かせるな、馬鹿」



ルーファウスがその笑顔のまま、セフィロスの肩を軽く叩いた



「…なんだ?」



「会う時間が、勿体ないと言われたのかと…一瞬思ったじゃないか」




そんな配をして驚いたのか、と

正直、嬉しかった





「まさか、俺がそんな事思うはず無いのはわかるだろう」




思い切り抱き締めると、ルーファウスは驚いたのか少し抵抗してから、笑う



「なあルーファウス、何故一緒に住みたくないんだ?」


「今更家を見つけて住まなくても、家が二つあるようで楽だろう」

「同棲というところに意味がある」

「喧嘩したら逃げる場所になるから家は二つでいい」

「部屋が複数ある家を探せばいい」

「いい解決策とは思えないな」




セフィロスがルーファウスを膝に座らせ、向かい合う



「一緒に住もう、ルーファウス」



ルーファウスは一瞬表情を失う

暗い表情というよりは

難しい事を考えてるような



「断る」



膝から降りようとするルーファウスを

セフィロスが軽く抱き締めると

ルーファウスも背中に手を回す



「どうして嫌なんだ」

「…私は副社長だぞ?知られたらどうする」

「世間体以外に、理由があるんだろう?」

「ない」

「納得できないな」


「世間体が、一番大事だ」

「本心言わないよな、お前は」



セフィロスの背中に回していた手を下ろし

ルーファウスは俯くと

ふと笑った



「今がいいんだ、今のままが」



確かにルーファウスの気持ちは自分にあると
それは感じている


なのにまだ足りない

なにかが足りない気がする




ルーファウスの気持ちを
自分という存在がどの程度占めているのか


もしかしたら

ほんの少しなのかもしれない






「お前は、会話をしていても、俺を見ていないときがあるよな」




セフィロスがそう言うと、ルーファウスは眉間にしわを寄せて

少し目を細めた



「それは君じゃないのか?」








気持ちに差が無ければ良いのに



俺がこいつを思う気持ちと

こいつが俺を思う気持ちに

差が無ければ良いのに




セフィロスはそれを考え

眉を寄せる



なぜ満たされない





「最初は、お前の事をずいぶん子供だと思っていた」



ルーファウスが、ふっ、と笑いながらセフィロスから離れてグラスを手に取ると


一口飲んでセフィロスに差し出した



「今は、俺はお前といるとき、自分を子供じみていると思うときがある」



セフィロスはそれを受け取り、一口飲んでグラスをテーブルに置いた


目で相槌を打つように、ルーファウスはセフィロスを見ている



「なあルーファウス、俺はお前から見て、頼りがいのない男か?」



ルーファウスは噴き出すように笑って

首を横に振る



「何を言いだすかと思えば…」



セフィロスが真剣な目でルーファウスを見ていると、ルーファウスの顔から笑顔が消えた



「俺は、真剣に聞いている」

「頼りにしている」

「お前今個人的な感情じゃなく、副社長の目線で言わなかったか?」

「んん?」



困ったように眉間にしわを寄せて、ルーファウスが唸る



「俺はなルーファウス、もう少し甘えてほしいと思っているんだ」



ますます疑問だという顔で

ルーファウスは首を捻る



「さっぱりわからん。どういう事だ」



「…上手く説明できない…もう少し素直にわがままを言うとか、困らせていい、と言うか…
なんていうのか…」


「…私はいつも素直にわがままだが」

「…いや違うだろ」






帰りたくないとか

帰るなとか

言うのは必ず自分で


ルーファウスはそんな自分を拒否したことが無い



考えてみると、甘えているのは俺じゃないか




「何故同じ家に住むのが嫌なんだ?」



ルーファウスは困ったようにセフィロスを撫でると、口を開いた

「帰る場所は、同じじゃなくていい。君は私の所に帰ってくるといい。
私は君がわかるところいるからな」


「…お前の帰る場所は?」




絶対に背中を向けて寝たりはしないルーファウス

それは寂しさからじゃないのだろうか




「私はいつでも、君が帰る場所に居る。君が望むまで」




もしかしたらその行為は

俺のため?



それならお前は



「ルーファウス、お前は…寂しくないか?」


「いや、何故」


「俺は、お前といると安心する。だが、お前はどこで安心感を得ている?




はは、と笑いながらルーファウスは立ち上がる



「なあセフィロス、何かあったのか?質問がおかしいぞ」



ルーファウスの腰を寄せ、抱きつくと

ルーファウスはセフィロスの頭を撫でる



「ルーファウス、お前には俺が、必要か?」



優しいその手つきは止まる事なく

セフィロスを宥めるように撫でる



「馬鹿め」



セフィロスが抱きつく手に力をいれると


ルーファウスはセフィロスの頭を抱き締めるように包んだ




「不安があるのは、君じゃないのか?」



セフィロスは不安そうに

ルーファウスを見上げる



ルーファウスは眉を寄せて笑った



「私はどこにもいかないよ。君が私のそばにいる限り」


「それは、俺が望むからか?」

「まさか、私が人の意志で動くと思うか?」


「ルーファウス、お前は俺が必要か?」



ルーファウスは精一杯、大人の様に優しく笑って見せた



「不安なのか?」


「ああ」

「何がそんなに不安なんだ」



目を閉じ、セフィロスは頭をルーファウスに預ける


「…ルーファウス、お前は、不安になる事はないのか?俺は…ずっと一緒にいたい。
お前は違うんだよな?一緒に住みたくはないんだもんな?」



セフィロスは自分が子供じみてると思う

それでも、最後まで、言い切った



「参ったな。私は自分の気持ちを言葉にするのが苦手なんだが…」



黙り込むセフィロスに軽くため息を吐くと

ルーファウスは目を伏せる




「いつ君が神羅を離れるか、わからない。君がいなくなったら、君と住んだ家に…
私が1人でいられると思うか?
帰らない君を待ち続けることになりそうで、そんなものは私は耐えられない」



セフィロスは目を開き、立ち上がる

ルーファウスはセフィロスを見上げた



「そんな事考えてたのか?」



はは、と苦笑して、ルーファウスは目を逸らした



「言っただろう、ずっとそばにいると。俺がお前を守ると」



できるなら、私が君を守りたい


小さく呟き、ルーファウスはセフィロスを見上げる




「約束できるのか、本当に。何があっても」


「当たり前だ。だからルーファウス、約束してくれ。お前も、離れるな」



ふっと笑うルーファウスの笑顔に

セフィロスの心に少しの不安が新たに沸いた








何故



不安は消えない








えー。両思いのすれ違いは得意です
題名はルー視点で文章はセフィ視点