愛しい時間 |
「花もたまにはいいな」 背筋を伸ばして両手を上に上げるルーファウス 桜並木がライトアップされて 桜の花弁が舞って 幻想的で そこを歩くルーファウスは本当に 映画の中の登場人物みたで、とても美しい 「気持ちがいい」 もう散っていく桜たち ルーファウスが両手を広げて上を向く 「綺麗だぞセフィロス、桜吹雪」 「ああ、綺麗だな」 「このまま埋まって死んでもいい」 「ルーファウス」 振り向くルーファウスを抱きしめる 「うん、私はキミを置いて死んだりしない」 「どうしてそんな事を言う」 「セフィロス、お前がいなくなったら 私はいつでも死ねる。だからいなくなるな」 「不安か?」 「不安だ。キミがいつか壊れてなくなってしまいそうで」 「俺はガラス細工じゃないぞ」 「わかってる」 俺たちの時間はあとどのくらいあるだろうか ルーファウスが壊れるのが先か 俺が壊れるのが先か もう長くはない気がする ルーファウスの不安は 俺のこの不安と同じなんだろう 一緒にいる時間ひとつひとつを大切にしなければ また、桜並木を歩き出す 桜にさらわれそうなのは ルーファウスなのか 俺なのか ルーファウスがくるりと回転して、後ろを歩く俺の方を向いた 「イエーイ」 何を思ったのか 無邪気に笑って俺に指を二本立ててみせる 「ハハハ」 俺がつい笑ってしまうと 嬉しそうにルーファウスが眼を細める ずっと見ていたい笑顔 ルーファウスが笑うと 本当に心が癒される思いになる もう、未来がどこに続いていても この笑顔がそばにあるなら何だって耐えられると思った 「ルーファウス」 その手に触れようとした瞬間 強い風が散り行く桜の花弁を舞い上げて 空が花弁を飲み込んでしまいそうだ 「セフィロス」 ルーファウスの手が俺の手に触れる 「ほら、行くぞ」 その手を強く握り返すと またルーファウスが笑った どうして俺がこう感傷的になっているときに こいつは笑顔をくれるのだろう 俺の笑顔はルーファウスのいつものそれみたく 不器用なものになっていないか? ルーファウスが歌いながら俺の手を引いて歩く 時が止まればいいと思った |
短い。 桜はセフィロスの方が似合いそうですね 夜桜の中、正宗を片手に突っ立ってたらカッコイイね。 セフィにとってルーの自然な笑顔が何よりの薬。 |