恋人宣言






「始まった!」


大きな花火が上がると、ルーファウスがセフィロスの服を引っ張って声を上げた



「ほう」



人気が無く、目立たない場所で、二人ともリラックスをして花火を見ている






「綺麗だな」



セフィロスが花火を見ながら言った



「…なあ、お前に信用できるやつはるのか?」



続けてセフィロスがルーファウスに聞いた



「…完璧に信用している奴はいない」



でも花火は綺麗だと思うくらいの感情はある、とルーファウスが続けた。



少し、沈黙



「お前は?」



ルーファウスの言葉にセフィロスが優しく笑った



「いるよ」



その優しい顔を、じっとルーファウスが見上げた



「大事な人はいるか?」


セフィロスの言葉にルーファウスの声が不機嫌になった


「それをお前が、聞くのか?」




フフッ、とセフィロスが笑いながらルーファウスを撫でた。


「俺はお前が大事だ」




やめろとセフィロスを叩くルーファウスの顔がキツくなる


「お前はどうせ、上司より仲間が大切だろ」


不貞腐れた顔でセフィロスを睨むルーファウスの髪を
セフィロスが撫でた


「仲間が一番だとは言ってないだろう?」

「私か?」

「でも上司だとも言ってない」


明るくなったルーファウスの顔が曇ったのを見て
セフィロスが笑った


「お前は特別だ」

「当たり前だ!」


セフィロスがルーファウスを後ろから抱き締める


「お前は俺にとって仲間ではないが上司でもない」


特別な存在だと囁く



「言い包めようとするなよ」

抱きしめるセフィロスの腕を払いながら怒るルーファウスに
セフィロスが笑った


「なんだ、ばれたか?」



「ばかやろう!」



ルーファウスもセフィロスの笑顔を見上げて笑う






花火に歓声が上がる
それを見るルーファウスの顔も柔らかい


セフィロスはその顔に心が安らぐ

平穏で幸せな、戦う事を忘れられる時間



ルーファウスがセフィロスを見ると、その優しい顔と目が合って
自然にキスをした



「花火見ろよ」

「お前こそ」

ルーファウスの言葉にセフィロスが返すと

ルーファウスが笑いながらセフィロスの腕を叩いた




「なんか平和だな」


セフィロスの言葉に、ルーファウスが軽く地面を蹴った


「お前はいつも戦ってばかりだからな」




ルーファウスがセフィロスを見上げた



「辛いか?戦うのは」



「お前と居ると安心するよ」



花火を眺めるセフィロスを、ルーファウスが眺めている



「答えになってないぞ」



フフッとセフィロスが笑った


小さなため息をついて、ルーファウスも花火に視線を移した



「もし俺が遠くに行ったら、俺を忘れるか?」


「行かせない。離れることは許さないぞ」



「俺が戦地から戻らなかったら、俺を忘れるか?」




ルーファウスが花火からセフィロスに視線を移した



「不安なのか?英雄と言われるお前が」



セフィロスは花火から目を離さずに答える



「不安なのは、お前を残していくことだ」



ルーファウスの握った拳に力が入る



花火の音が、鳴り響く




「心配なんかいらん。私はお前の子供じゃないぞ」



「お前は俺の恋人じゃないのか?」


セフィロスの笑顔と言葉に
口が開いたままのルーファウスの表情が固まった



セフィロスは穏やかな顔をルーファウスに向けている



「だ…だとしたら…」

ルーファウスが震える指先をセフィロスに向けた



「なおさら離れることは許さないぞ!」



声を出して笑いながら、セフィロスがルーファウスを抱き締めた










セフィロスとルーファウスが過ごした最後の夏の花火









結局何が言いたいのなんて聞かないで

なんか平和にいきたかっただけさ。


がーっと勢いだけで書き上げたのでなんかいつも以上に変かも