つたえたいこと







あぁ、壊れていくんだ


ルーファウスは

壊れていっているんだ








その言動や思想はすでに

会社とい枠も無く、子供の域も脱していた




父を恨み世界を蔑む









「私はなセフィロス」





まだ充分子供のような年で

顔で声で



「世界は恐怖で押さえつける」






どこでまちがったのか



愛情というものを渇望して

それでも手に入らない者でもこうはならない





その欲よりも憎しみが勝っている








「ルーファウス、一番憎いのは、誰だ?何なんだ?」




ルーファウスは俺を睨み付けてそして笑った




「私の意に反するものすべてだ」








昔、一度だけルーファウスの

とても子供らしく優しく

無邪気な笑顔を見たことがある




それは一枚の写真




プレジデントの部下と、その妻と息子と

四人で写ってるものだった






一家にはぺったりとくっつかず

微妙な距離を置いて

物寂しげな雰囲気だった





それを俺に見せてくれた男は



「この方は愛を知らないから、表現の方法すらわからないのです」



そう言っていた





俺は、家族の愛は知らない




珍しいことではないと返したときのその男は

非常に寂しそうな顔をしていた







「ルーファウス、俺は」




ルーファウスをテーブルに座らせて


俺は立ったままテーブルに手を置いた



しっかり向き合って





「お前を愛してるよ」






伝えたい言葉だった




必要だと思った






俺も、言葉がほしかった








頬を思い切り殴られた






「そんな言葉は、無意味だ!」





アイスブルーの目が鋭く俺をにらむ


そして髪を引っ張られ、顔が近づく




「わたしはなセフィロス、誰かを愛したりなどしない」







「ルーファウス!」




テーブルから飛び降り、部屋の出口へ向かうルーファウスの手を掴む


力を少し入れるだけで

簡単に折れてしまいそうな手を





俺を睨み上げるルーファウスを強く抱きしめると

思い切り抵抗した


俺には赤子くらいの力だ




「離せ!貴様離せ!!」




強くキスをして


深くキスをして



ルーファウスの額に

自分の額を押し付けた





「ルーファウス、俺は、」




はっとした



ルーファウスがゆっくり

俺の頬を細い手で包み込む






「泣くな」






俺は泣いていたんだ




初めて知った愛と

愛する人の絶望の大きさに









愛を渇望していたのは俺だ



愛されたいと子供のように願ったのは



目の前にいるルーファウスではなく



俺自身だ







ルーファウスが俺の頬に目に


キスをする





「泣くな」





薄く目を開くと

しっかりとした表情のルーファウスが俺を見ていた





「私はなセフィロス、お前に言葉はやれない

私が言葉を信じれないからだ

でも今、私にはお前の存在が必要だ」





「愛してるよ、ルーファウス」



キスをすると

ルーファウスもそれに答える



「私もセフィロス、同じ気持ちなんだ」





でも、もう言わないでほしいと

言わない代わりにそばにいてほしいと

そう言ったルーファウスも薄く涙を浮かべていた


























俺たちは何の為にうまれてきたんだろう























FFの中で一番寂しがりやの可能性を否定しないですよセフィ。

テンパる前は優しい男で、そんな時にセフィとルーはお付き合いを云々。
はじめてのエッチはさぞ優しかったことかと(中略)
セフィはその生い立ちを見ていて悲しくなる。