月光








白っぽい満月が浮かんでいた






ルーファウスは月の明かりを浴びて、月を見上げる






目を閉じて、深呼吸をした

























「明るいな」



満月の光に照らされながら、セフィロスは笑った

頬を撫でられ、ルーファウスもくすぐったそうに笑った



「ああ、明るいな」

「お前がよく見えるよ」



ルーファウスを優しく抱き締め、キスをしながら押し倒す



「君もよく見える。髪がすごい光ってる」



セフィロスの美しいプラチナブロンドの髪が月の光に輝く


柔らかく波打つ水面の様に

髪が揺れる



ルーファウスはそこに指を入れて梳いて

その髪に口付けをした


セフィロスは愛しそうにルーファウスの指に指を絡め

指先に口付ける



「たまに、起きて暗闇だと、怖くなるんだ」



セフィロスの言葉に、ルーファウスは少し顎を上げてその優しい目を覗き込む



「何故」

「世界に自分が1人になった様な、取り残された気分で。
だから、月が明るい夜は好きだ」



セフィロスの目が伏せられる

ルーファウスはセフィロスの肩越しに見える満月に手を伸ばす



「月明かりがあると、怖くならないのか?」


「月を見ると実はお前を思い出す」





セフィロスはルーファウスを腕枕しながら窓の外に浮かぶ月を見上げた



「月を見て、私を?」



ルーファウスは首を傾げてセフィロスを見た



「黄金でもなく、赤くもない、色の薄い月はお前に似てる」

「髪の色か?私は純粋なブロンドではないからな」

「華やかなブロンドよりもお前の物寂しげなこの色が好きだ。
月の光に照らされると、本当に神秘的だ」



月の光は、冷たくない温度で包んでくれるお前の様だ、とセフィロスは目を閉じた




「歌ってくれ、ルーファウス」



ルーファウスは月の光に包まれるセフィロスを眺めて、その手を握った


セフィロスが少し驚いてルーファウスを見ると

ルーファウスは目を閉じてセフィロスの胸に耳を付けた




「月に持っていかれそうだ、お前」



そう呟いてから歌いだしたルーファウスを抱き締め

セフィロスは笑った























過去の記憶が脳裏を駆ける


ぱちり、と目を開いて手を伸ばす


月の光を掴めるなら

集められるだけ集めてセフィロスに持っていくのに

手からすり抜ける月の光を抱き締めて


ルーファウスは祈るように歌った



どうか彼の闇にこの光が届きますように

どうか彼の心にこの歌が届きますように











月光セフィロスサイド。