| 絶対温度 |
「嘘だ…」 セフィロス失踪の話を聞いて ルーファウスは書類をデスクに叩きつけた 「調べなおせ」 「確実な情報です」 顔色ひとつ変えずにツォンが返した 「嘘だ!」 ツォンは怒鳴るルーファウスを冷静な目で見る 「彼に特別に固執しすぎですよ」 「車を出せ」 「どこにもいません。全力で探しています」 クソッ、と吐き捨てるように言うと ルーファウスは自分の頭を豪快に掻いた つい何日か前、ルーファウスがセフィロスに会った時は 会った時は変わった様子は全くなかった いつものように他愛の無い話をし 笑ったり体を重ねたり ツォンは何も言わずに出ていった 言いたいことの半分も 聞きたいことの半分も 言ってないし 聞いてない こみあげるこの気持ちは悔しさなのか悲しさなのか 取り残された様な、急に独りになった気がした 仕事を投げ出して部屋に戻った。 しん、と静まり返った部屋の セフィロスが出入りしていた痕跡をルーファウスは一つずつ ゆっくり捨てていく それは少ないから簡単だった 「全てに絶望したか?」 それは独り言 キッチンで 一つ一つ燃やしていった 「お前は今、独りか?」 ゆっくり確実に燃えるように 燃やした 私を何故置いていった 約束したじゃないか 離れないと お前を飲み込む程の大きな闇を 私にはどうする事もできないんだな なにがあった? 「セフィロス」 「それでも私にはお前だけだった」 ベッドからシーツをはがしてコンロの上に投げた なぜ なぜ私に心を許した なぜ私の心を奪った 「セフィロス!」 いつも使っていたグラスを 素手で潰すように割った 燃え上がる炎が部屋を焼いていく 「燃えればいい。全て」 どうせお前は私を忘れているんだろう 警報器が鳴り響く ルーファウスは耳を塞いで 寝室に向かった ベッドの下に転がる黒い手袋 「こんなもの残しやがって」 炎が広がる部屋に行き 思わず手袋で口を押さえると 微かにセフィロスの匂いがした気がした うずくまり 床を殴っても、誰も、何も返事はしない 炎に腕ごと突っ込んだ 燃えればいい 煙と炎に包まれ目を閉じた 燃えればいい この気持ちも 「セフィロス…」 父に突き刺さる剣 その亡骸を眺めてルーファウスは笑った 「こいつは私の手で殺ると言ったじゃないか」 なぜ私の前には現れない その程度の存在か 「お前の中から私が消えても 私の中からお前を消しはしないからな」 セフィロスの心を取り込んだジェノバ。 セフィロスを苦しめているのはジェノバだ。 少し焼けた手袋をポケットから出し、握りしめるルーファウス 私が社長になってもお前を守ることができないんだな 父の胸ポケットからジッポを取り出し、その炎で手袋を焼いた 倒してやる セフィロスに取り付いたジェノバを |
ジッポはルーちゃん何気に自分で所持したのか それともポイと捨てたのか ていうか火事出しちゃったYO 題名は島谷ひとみの絶対温度から。 セフィルー(セフィ←ルー)ソングだったので。 |