求め続けたもの |
贅沢に過ごしていた 素直になれなかった 友達なんかいなかった 母親は思い出すらなく 父親も、いないも同然だった 初めてできた友人は同じ年で、親父の部下だった 彼とは笑って過ごせた 彼の友人には馴染めなかったけれど 彼だけは私を受け入れてくれた 同等に接してくれた 親父がその家族を一家心中に追いやったのは 彼と仲良くなって、一年も経っていなかった 新聞に一家心中の記事がのったのだ 私は親父を罵り ひどく怒鳴り散らした しかし父の反応はとても無関心というか 冷たい いいたいことを少しも言えないまま 親父は煩そうに私から離れた 彼らの葬儀に、親父は行かなかった 雨が降っていた 「ひとごろし」 私は、彼の友達に石を投げられ 罵られ、怒鳴られた 悔しくて、肩が震えて それでも何も言えなかった できなかった 母が死んだのは親父が原因だと聞いたことがあった 死因は自殺だと 原因が、親父の浮気だとか 家庭に帰らないことだとか そう聞いたことがあった それがうわさのレベルなのか 事実なのか 母の事を知っているのは古くから居る 使用人だけだった 母の写真も 私の幼い日の写真も この家の中では見たことが無い 親父の大切なものなど すべて消え去ればいい 笑って過ごすなんて、許されない 恨み続けた 親父が死んでも、涙はこぼれなくて 悲しいとも思わなかった よく死んでくれた やっと、消えてくれた でも、私の恨みは消えない ライフストリームの中で女の姿を見た 異臭漂う密室で首を吊っていた それは目を閉じても追ってきそうな、天井から吊るされた母の亡骸 ぐったりと横たわる、首に痣のある子供 女に首を絞められた子供 見上げる子供の目線で思い出した あの女は私の母だ 子供は、私自身だ 異臭は密室に充満するガスだ 気が遠くなり、目がかすむ 「あの人を繋ぎ止めるためにあんたを生んだの」 「でもね、お母さんにはあなたしかいないの」 「ルーファウス、お母さんと一緒に死んでくれるわよね?」 女の声が聞こえた まるでテレビを見ている様な目線で 過去のことを思い出す 子供の時に見た事 聞いたこと ライフストリームの中で 記憶の奥底から蘇る そうだ、どうして覚えていてやらなかったのか 私の母は私が物心ついてから死んでいたのに 私の目の前で、親父の愛を欲しながら 自らの命を絶ったのに 異臭の中、気を失っていた 目が覚めるとそこは病院のベッドの上で 私はあのあとすぐに助けられ、医者の手に渡り、大事には至らなかった そのときには既に、母の記憶が消えていた 記憶の奥底に閉じ込めるように、私自身が押し込んだ母の影 まだ生きている母が、窓を開けて陽の光を部屋に入れながら喋っている 「お父さんが愛した人は、私ではない人なの」 「でもお母さんは愛してるわ。お父さんも、ルーファウスも」 「お母さんだけはあなたを愛してるわ」 意味も分からず聞いていた 親父の話をする母の顔は本当に寂しそうで ウェポンの、攻撃を受ける直前に見た親父のファイルには 見たことのある女の写真が入っていた それは母に良く似た、しかし母ではない人 母の姉だっただろうか 昔に死んでしまっている 親父はずっと、一人の女性しか愛さなかったのだろう 他の女を捕まえても、愛しはしなかったのだろう それならば私を愛せず しかし母にも叔母にも似た私を手放せなかった理由が分かる 「あぁ、親父は愛を知っていたのか 深い愛を知っていたのか」 「狂った世の中には 狂った奴ばかりだな」 死を覚悟して 遠のく意識に身を任せ 私は目を閉じた |
捏造にも程がある そんな突っ込みは受け付けないYO あんなに近くにいた父が目の目で死んでも全く気にしていない様子のルー。 悲しいですね(ちょっとバカにしてみた) えー、死体見慣れちゃった?ソレパパだよ?なんか刺さってるよ? ワガママ放題に育った子とは違うワガママさだし、親の愛情を感じてないんだろうなーって。(暗殺まで企てる始末だし) そこまで親を恨む背景は色々あるのだろうとは思う。 ということで本当はルーはパパに愛されてるんだよという話を書いたんだけど、最後の方を少し書き換えて あんなに親の愛に飢えた子(にはみえないけど)に育ててあそこまでルーを 捻じ曲げたおやっさんにはとことん悪い人になっていただきました。 で、FF7プレステで出た時ルーがタークスに慕われてる気配が感じられなかったので まああんな子だし理解しにくいから仕方ないと思ったけど ACになってからなんとまあ知的で穏やか(でもまだ黒いよ)になったことかとお母さん嬉しかったわよ(アレ?) だってタークス、ルーを守りたくて守ってるジャマイカ。きっとそれはルーが大人になったんだろう。 愛されて無いばかりではいたたまれない。 どうでもいいけど無印ルーは21以下にしか見えませんが。子供め。 |