| 君がいれば |
目が覚めると隣にはクラウドが気持ちよさそうに寝息をたてていて ルーファウスはその頬をそっと撫でてからベッドから出ようとゆっくりと動く 腰の鈍い痛みと倦怠感に気付いて笑う この痛みは嫌いじゃない 「立てるかな」 昨日護衛も付けずに危険な場所までクラウドに会いに出向いたルーファウスに クラウドは怒った そしてそれからはずっと上機嫌で、 また危ないことしないように腰立たなくしてやる、と意気込んだ ゆっくりと足を床におろし、立ち上がると すとん、と床に座り込んでしまった だめだ、やっぱり力が入らない 「本当に立てないのか?」 いつのまにか起きていたクラウドが笑いながらルーファウスの薄い肩に触れた クラウドに背を向けた態勢でルーファウスは首をかしげる 「骨が無くなったのかも」 「だから言っただろ、腰立たなくしてやる、って」 苦笑して、ルーファウスはベッドに寝転びながら身を乗り出すクラウドの首に片手を回し 上を向く 「おはようクラウド」 クラウドは背後からルーファウスにキスをしてから 頭を撫でた 「おはよう、ルーファウス」 クラウドはルーファウスを抱き上げてベッドに座らせると 覆い被さって耳や首にキスをする 「なに、クラウド…したいのか?」 「したい」 「起き抜けじゃないか」 「嫌か?」 くすぐったそうに身を捩り笑いながら、ルーファウスは時計を見た 「仕事は?」 「まだ大丈夫」 自分の身体をまさぐるクラウドを抱き締め ルーファウスもクラウドの身体に口付けを繰り返した 「今日はセブンスヘブンで待ってろよ。今送ってくから」 ルーファウスは顔をしかめてパンをかじるクラウドを見上げた クラウドは立っていて、ルーファウスはいすに腰をかけている 「ここにいるからいい」 「危ないだろ。駄目だ」 ルーファウスはクラウドの飲んでいた牛乳を一気に飲み干し、顔を背けた 「アンタな…そんなことしたらまた腹壊すぞ」 「煩い…」 「なんで嫌なんだ?」 ルーファウスは両腕を組んでまたクラウドを見上げた 「…キミの彼女に会いたくない」 「幼なじみだし」 「元彼女」 「付き合ってないし」 「初恋のひと?」 「うーん。近いかな」 「あー…」 クラウドがルーファウスの頭を撫でる 「妬いた?」 無言で額を押さえて俯くルーファウスを見て クラウドは笑った 「お前でも妬くんだな、ルーファウス」 嬉しそうな声に、ルーファウスは苦笑してクラウドを見上げる 「妬いたよ。柄でもないと笑うか?」 その言葉に、恥ずかしそうにクラウドが頭を掻いた 結局無理矢理セブンスヘブンに連れてこられたルーファウスは クラウドを見送ってティファと雑談しながら過ごすことになった 「ルーファウスはまだ、足が痛いの?」 「いや、もう平気だ」 「足いたそうだね」 ルーファウスははっ、として腰を押さえる 「いや、腰を打ったんだ」 ティファは笑いながらルーファウスにコーヒーを出した クラウドがセブンスヘブンへ帰ってきた時には ティファやマリン、デンゼルの他にタークスが4人いた 「お帰りクラウド」 早速駆け寄ってきた二人の子供を撫でて、ルーファウスに目配せをしてから ティファにただいま、と挨拶をした その後にタークスを見て、目を細める 「アンタらはなんの用だ?」 「お前じゃなくて社長に用だ」 「ついでに食事だぞ、と」 ツォンに続いてレノが言う イリーナは楽しげにマリンとデンゼルと遊んでいる ルードはレノの隣で何時も通りに立っている 「大丈夫だった?お腹すいたでしょ?今作るね」 クラウドに笑いかけるティファ ルーファウスはその様子から目線を外して、手元のノートパソコンをいじる クラウドはカウンターに迎う途中、歩きながら軽くルーファウスの頭に手を置いて撫でた 「ただいま」 まわりがその行動に目を丸くしている中、ルーファウスは一瞬固まってから苦笑した 「おかえり」 カウンターに座ったクラウドに水を出すと、ティファは「仲いいね」と笑っている 「ああ」 クラウドは僅かに笑った 「ほとんど同棲してるしな、と」 レノが近づいてくる 「同居じゃなく?居候でもなく?」 「あれは同棲だな」 ティファとレノの会話に、ルーファウスがこめかみを押さえた 「最近こないと思ったらクラウド、ルーファウスのとこにいたんだ…」 「毎日いるぞ、と」 「イリーナ、同棲ってなに?」 「恋人同士が一緒に住むことよ。 だから社長とクラウドが一緒に住んでるなら、ルームシェア…居候かな?」 「同棲だ」 マリンとイリーナの会話に飛び込んだクラウドに、視線が集中した 「違う、私は住めとは言ってない」 「アンタ俺が出掛けるときいってらっしゃいって言うだろ? 帰ってきたらおかえりって言うだろ?」 「そういう問題か?」 「ルーファウスはクラウドの恋人なの?」 純粋なマリンの質問に、空気が張り詰めた ルーファウスはマリンを見て 優しく微笑みながら首を横に振る その隣でクラウドは、マリンを見て首を縦に振った 「わかんない…」 「わ…わたしも…」 マリンとイリーナが困惑する 当然、デンゼルもティファも困惑している 「俺はルーファウスの彼氏だ」 クラウドの一言にルーファウスが呆れた顔で額を押さえた 「…ほんとう?」 ティファの声に、クラウドが振り向く 「ああ、本当だ」 「ルーファウスって、男よね?」 わかっていても確認してしまうティファに クラウドは恥ずかしそうに頭を掻いて頷いた 「…帰るぞ」 低くうなるルーファウスに視線が集中する 「いいかげん、言ってもいいだろ」 「私はそれに反対したはずだ!」 「やっぱり、付き合ってるんだ…」 ティファの囁きにルーファウスが青ざめる 「いやだって言ったじゃないか」 クラウドは自分をにらむルーファウスを撫でる 「俺は正直に言いたかったんだけど」 「社長は、どうして言うのがいやだったんですか?」 すっかり自分で認めてしまったと後悔しながら ルーファウスはイリーナを見た 「世間体だ」 「プレジデントそっくりですね」 ツォンがルーファウスの発砲した銃弾の餌食になった 「ルーファウスと付き合いだしたからだったんだね、 クラウドがなんか素直になってきたのって」 優しい笑顔を浮かべながら自分ににホットワインを出すティファに ルーファウスは少し胸が痛む 今何か喋れば、墓穴を掘りそうで ルーファウスは苦笑だけをティファに返した 「ツォンさんや先輩たちは知ってたんですか?」 イリーナの言葉にルードとレノが頷く 「なんとなくだけどな、と」 「私は現場まで見てしま…」 ツォンが二度目の銃弾に倒れた 胸糞悪い。 天井を眺めながら、ツォンは心の中で呟いた ふと、ティファがルーファウスを見てからクラウドを見る ルーファウスの腰痛の原因ってもしかして 「もうセブンスヘブンに行けないじゃないか」 自宅でうなだれるルーファウスに クラウドは機嫌よさ気に近付いた 「みんなたいして気にしないと思うけどな」 「それは気を遣ってるだけだろう」 「もしかして嫌気さした?」 クラウドを眺め、ルーファウスが薄く笑う 「何となく、キミがいつか言い出すとは思ってはいたが」 「俺は、後悔してないからな」 「そうか?私は落ち込んでいるが」 「なんでそんなにイヤなんだよ」 「何度も言わせるな」 「世間体?」 ルーファウスは首を横に振って クラウドに抱きついた クラウドも、条件反射のようにすぐに 抱きしめる 「悩んでも仕方がないな。キミが、後悔していないならそれでいい」 「ごめん」 「謝るなら最初から言うな」 「じゃあ、謝らない」 「それでいい」 憂鬱のないルーファウスの笑顔に安心して クラウドはルーファウスにキスをした |
幸せだねえ 平和だねえ ということでカミングアウト |