海の音 雨の音















人影の無い夕方


砂浜に寝転ぶ


波がたまに、髪や顔を濡らす



ルーファウスは目を閉じたまま、波が高くなるのを待つ



波の音は、心地いい







雨が降り出し、さすがに寝ていられないと目を開くと


すぐ近くにクラウドがいて


ルーファウスを見ていた




ゆっくり起き上がり、クラウドに寄っていく



「いつから、いたんだ」

「さっきから。アンタが波にさらわれたら助けようと思ってた」

「声かけろよ」

「キスの一つでもしてやろうと思ったんだけど、見てて飽きなかったから」

「してくれれば、雨降る前に目が覚めたのに」



濡れた髪を手で梳いて、クラウドの正面に立つ



「雨、気持ちいいな」



クラウドは気持ちよさそうで、立つ気配が無い



「でも、風邪をひくぞ?」



クラウドの手を取り、立たせて、ルーファウスは歩きだす


クラウドも歩きだした






「ルーファウス!」



名前を呼ばれ振り返ると、クラウドが海の中に入っていた



「何をしている」

「来いよ」



ゆっくり海に入っていき、クラウドに追い付こうとする


ルーファウスが近づく分、クラウドは離れる



「クラウド?」

「いいから、来い」



少し歩いて、脚がもつれ、ルーファウスは膝をついた



「やっぱりまだ、辛いんだ?」



クラウドがルーファウスに歩み寄り、手を引く



「水の中は、いい運動になる。痛いけど」



くしゃみをひとつして、ルーファウスはクラウドを見た


クラウドは笑いながらルーファウスを抱き上げる



「私が風邪をひいたら、責任取ってキミが看病してくれよ」

「アンタの風邪をもらったら、アンタが俺を看病してくれるなら」





笑いながら、ふたりは帰路に着いた









なんとなく。なんとなく海でイチャつかせてみた