追うルーファウスが書きたかっただけです。
なので本来のうちのルーファウスとはちょっと違う
天気予報 |
白いうなじを撫でて クラウドはそこにキスをする 小さく唸ってルーファウスが寝返りをうつ 簡単に殺せる 寝ているルーファウスを眺め 細い首に手をかける 油断した方の負けだ 手に力をいれずにルーファウスを見下ろす 「やらないのか?」 ルーファウスの言葉にクラウドは驚いた 「起きてたのか」 「いいや、眠りが浅いんだ」 ルーファウスはゆっくりとクラウドの首に手を伸ばす ルーファウスが軽く力をいれると クラウドは自分の手に力をいれた 「は…」 ルーファウスの手がクラウドから離れ、ベッドに落ちる クラウドは手の力を抜いた 神羅カンパニー社長 星の敵 殺しておいても損は無い 殺さなくても… 「まだ、降っているのか」 「は?」 ルーファウスは白く細い腕を持ち上げ、指を窓に向けた 「雨」 「ああ、雨」 クラウドが窓を見る 言われてから雨音に気付いた 「本当だ、降ってる」 ルーファウスがクラウドを見上げる 「止むまで…」 クラウドはルーファウスを見ると ルーファウスは目を細めた 「いつ止むだろうか」 「は?止むまで、なんだよ」 ルーファウスは困ったような表情で微笑んだ ルーファウスに喋る気配が見られないことを確認してから クラウドは立ち上がり服を着た ルーファウスはベッドに座り 薄い毛布に包まったまま窓を眺めている 「タ−クスすぐ来るのか?」 「呼べば来るだろう」 「じゃあ帰る」 ルーファウスは窓からクラウドに視線を移した 「この雨の中?」 「別に雨は嫌いじゃない」 「私は得意ではない」 「アンタ太陽も苦手じゃなかったっけ」 「ああ…」 また、ルーファウスは窓に視線をうつした 「…車で帰れば?貸すぞ?」 「は?」 「だって濡れるじゃないか」 「いいよ別に」 「…危なくないか?」 「別に…」 「…風邪ひかないか?」 「ひかない」 「…そうか」 クラウドは何も言わずに外に出て 思ったよりも激しい雨を見上げた また家に戻ると、ルーファウスはさっきの格好のまま、振り向いて 驚いた顔でクラウドを見上げた 「アンタもしかして俺のこと引きとめてたのか?」 ルーファウスは驚いた顔のまま、頭を横に振った 「あ、そ」 そう言ってクラウドが外に出ると ルーファウスがすぐにドアを開けた クラウドは驚いてルーファウスを見た 「止むまで…待てば…時間が無い?」 「…いや、時間はあるけど」 何も言わずにルーファウスがクラウドを見ていると クラウドが家に入った 「毛布1枚で外に出るのやめろよ」 ルーファウスは素早く服を着ると クラウドを見た クラウドが口を開く 「帰っていい?」 ルーファウスはクラウドから目を逸らしてベッドに座った 「ああ、そうだな、構わない」 「じゃあ」 クラウドは外に出て、少しルーファウスを待ってみた 出てくる気配を感じず クラウドはバイクに乗りこんだ あまりの雨に、途中、店に入る 「少し待てばよかったな」 どうしてルーファウスは自分を引きとめていたんだろう 行くなと言われれば帰らなかったのに また戻るか タ−クスを呼んでいるかも 近くで雷鳴が轟く クラウドはフェンリルに乗りこみ、ルーファウスの家に戻った 「雨宿り?」 ルーファウスがさっきの場所に座ったまま、クラウドに笑いかけた 「もう一回だけ聞くけど、俺帰っていいのか?」 「雨宿り、していけ」 「雨宿りはいい」 「なにか飲むか?」 「いらない」 また、雷が鳴った 「なぜ、戻ってきたんだ?」 「アンタが俺を引きとめたのかと思ったから」 ルーファウスは自分の首を引っ掻きながら、笑っている 「帰りたいなら、引きとめはしないよ」 「あんた雨が怖いのか?」 「いいや、雨も雷も怖くは無いが」 「じゃあなんで苦手なんだ?」 「苦手というか…濡れると寒いじゃないか」 「なんだそれ」 ルーファウスはコーヒーをいれて クラウドに差し出した 「まあ、時間があるならもう少し雨が優しくなるまで待てば?」 「引きとめてるだろ」 「いいや」 「じゃ、飲んだら帰る」 「では鍋にいれて持ってくるから待ってろ」 「どんだけあるんだよ」 クラウドは笑いながらルーファウスの手を引っ張った 「素直に言ったら帰らないけど?」 ルーファウスは困ったように微笑んだ 「なんて言えばいい?」 「自分で考えろよ」 「…帰りたいか?急いでないか?」 「急いでたらここにいないけど」 「それもそうだな」 自分の手首を掴むクラウドの手を眺める 「素直に言えば?別に誰も聞いてないから」 「だから鍋にコーヒー」 「色気ないんだよ」 笑いながらクラウドがルーファウスを抱きしめる ルーファウスは驚いてクラウドを見た そして背中に手を回す 「で、どうなんだ?」 「好きにしていい」 「あ、そ」 クラウドの電話が鳴る 「誰から?」 「ティファ」 素早くクラウドから離れ、ルーファウスが立ち上がって離れた 「ちょっと行くわ。なんか、急ぎだって」 ルーファウスが無言でキーを差し出した 「車で戻れ。雨がもっとひどくなってる。この車ならフェンリル乗るから。 車は、後日取りに行かせるから」 クラウドは無言でうなずいて キーを取った そしてルーファウスを見る 「一緒に行くか?」 ルーファウスは笑って首を横に振った 夜、止まない雨を窓から見上げ クラウドが電話を取った ---今、1人?--- ルーファウスがそのメールに微笑んだ ---ひとり--- ---車返しに行こうか迷ってる--- ---まだ雨が激しいからいい。すぐに使う予定は無い。--- ---雨、嫌じゃないか?--- ---大丈夫--- 突然鳴った電話に驚いて ルーファウスは通話ボタンを押した 「会いたいなら、行くけど?」 「…キミが私に会いたいなら…暇してるからきてくれても」 「素直じゃないな」 クラウドは笑いながら電話を切った ---タークス呼ばないで待ってろ--- この雨の中、こんな時間に、どうしてクラウドは来たのだろう ルーファウスは目の前でビールを飲むクラウドを眺める 「アンタ、こういう時はいつも一緒にいる人を引きとめるのか?」 「いいや」 「あ、そ。飲めよアンタも」 「ああ」 ワインを注ぎ、口をつける 他愛もない話ばかり した 「キミはどうして雨は嫌いじゃないんだ」 「別に理由なんて無い。音も綺麗だし」 「ああ、波みたいだな」 「海?」 「海」 「アンタは他に理由あるんじゃないのか、嫌な理由」 「あったけど忘れたから、たいしたことじゃない」 「うそつけ」 「あ、落ちた」 落としたクラウドの携帯を取ろうと ルーファウスは床に手を伸ばす 「…なあ、アンタさ」 クラウドがルーファウスの腕を引っ張ると ルーファウスは少し顔をしかめながらクラウドを見た 目の前の白い鎖骨に、クラウドが噛みつく 「…な…んっ…」 「前のボタン開けすぎ」 「そうだろうか」 持っていたグラスの中のビールを飲み干して クラウドはルーファウスのワインを口に含んだ ルーファウスに口付けて、ゆっくり流し込む 「ふ…ん…」 ルーファウスの口の端から赤いワインが流れ落ちる ルーファウスがクラウドの唇を舐めて、軽く噛み、また舐める 何度か繰り返しながらゆっくり舌を口内に侵入させる クラウドが乱暴に口内を舐め回すと ルーファウスの細い指が クラウドの腕にすがりつく 「なあ、あんた酔ってる?」 「ふふ、キミよりは、きっと」 「じゃあ、かなり酔ってるな」 自分を抱きしめて口づけるクラウドを見て ルーファウスが笑う 「わからなくなってきた。キミもとても酔っている」 「ああ、酔ってるよ」 「キミは記憶が飛んだりするか?」 「…ないとは言えない」 「はは、もっと、飲んで」 「俺の記憶飛ばしたいのかよ。アンタも飲め」 「気分がよさそうだなあ」 ルーファウスが腕を引っ掻きながら笑う 「痒いのか」 「酒のみすぎるとどうも」 「どれ」 ルーファウスが掻いた場所に軽く歯を立てる 「くすぐったい」 「感じる、じゃなく?」 ルーファウスがクラウドの手を引っ張り、腕を甘噛みする 「アンタがやると、やらしく見える」 クラウドの腕を舐めてまた歯を立てる 「ルーファウス…」 勃ってきた クラウドが目を細めるとルーファウスがクラウドを見上げた 歯を立てた個所に指を置いて、クラウドの首筋にかるく噛みついた クラウドがルーファウスを抱き寄せ、首筋に噛みついた 「はっ…」 クラウドの口が首筋から耳に上がってくると ルーファウスは身をよじって手に力をいれた ワイングラスを取り、喉に流し込むルーファウスを眺めながら クラウドが上を脱いでから自分のベルトを外す まだ少しワインを口に含んだまま ルーファウスがクラウドの勃ち上がったものをくわえる 「うわ…」 その感覚と視覚に、クラウドが声を上げる 「ん…ふ…」 「ルーファウス、ベッド、行くか?ローションあっちだ」 「ふふ」 ベッドに立ち膝をしているルーファウスをゆっくり脱がしていく ルーファウスは勃ち上がったクラウドのものを優しく手で愛撫した 「なあ、自分で塗ってみて」 クラウドがルーファウスにローションを渡すと ルーファウスは顔をしかめてクラウドを見た ローションの蓋を開けて、ルーファウスの手に塗る そしてクラウドもローションを取り、自分のものに塗った ルーファウスが自分の後孔にローションを塗り始める もう片方の手でクラウドの肩に掴まった 濡れた音と吐息と、雨の音が響く 「あんたが挿れてって言うまで我慢する」 ルーファウスの腰や太股を愛撫しながらクラウドが言うと ルーファウスが笑った 「我慢できるのか?」 ルーファウスはそう言うと、クラウドの耳たぶを舐めながら濡れた吐息を吐く クラウドの手の動きに身体を反応させながら声を小さく漏らした 「ん…ふふ」 「卑怯だな」 そう言ってクラウドがルーファウスの手首を舐めると ルーファウスが激しく反応を返した 「なに、これ…ためらい傷」 「違うよ」 傷を隠すように手を引っ込めるルーファウスを押し倒し ルーファウスの足を自分の肩にかけさせた 「深いよな、自分でやったの?」 「違う」 「誰かにやられた?こんな所を?」 「気になるのか?」 「…別に」 「クラウド、我慢しないのか?」 挿入しようとするクラウドを見上げ ルーファウスが微笑んだ 「無理。我慢できない」 そう言ってクラウドは笑いながらゆっくりと挿入した ルーファウスの手首を舐めてから、腰を掴んで奥まで入る 「は……あああっ!」 シーツを握るルーファウスの手に力が入る クラウドが片手をルーファウスの指に絡ませ、手を握る ルーファウスがその手を握り返すと 握り合ったままの手をシーツに押しつけた クラウドが目を細めてルーファウスの手首の傷を見ると それは新しくない深い傷 「誰かにやられたんだろ、このためらい傷」 「だから、ためらい傷、じゃな…っ…あっ…」 「俺の知ってる奴?」 ルーファウスがクラウドを見上げて苦笑をする 「知らない奴」 「アンタ思ったより弱いよな」 「キミは予想以上に強いな」 翌日調子が優れないルーファウスがまだベッドの中で寝ている クラウドは既に一度起きて食事をしてからまたベッドに入ってきた 「具合悪い?」 「良くは無い」 「もう昼になるぞ」 ルーファウスがクラウドをじっと見上げ そっと服の裾を掴んだ 服が突っ張る感覚に クラウドがその部分を見ると 表情が驚いた顔に変わった その表情を確認したルーファウスが 素早く手を引っ込めて天井に視線を移した 「なんだよ、子供みたいなことして」 「シーツを掴んだつもりだった」 「間違えるなよ」 一瞬間を置いて ルーファウスが微笑む 「気をつけるよ」 薄いシーツを握って身体を丸めた 「雨も止んでるし、帰るかな」 クラウドの言葉に ルーファウスが顔を上げた 「…そうか」 クラウドは丸まっているルーファウスを覗きこんだ 「雨が降ってないから止めないのか?」 「だから、止めてない」 「あ、そ」 「…シャワーでも浴びたらどうだ?」 「アンタ寝てる間に浴びた」 「…そうか」 目を閉じて ルーファウスは黙りこむ クラウドがベッドから立ちあがる振動に ルーファウスが手を伸ばしてクラウドの服の裾を掴んだ 「なんだよ、また間違えたのか」 「いいや、わざと」 ルーファウスは立ちあがり、バスルームへ向かった シャワーを出すと ドアが閉まる音が聞こえてシャワーを止めた フェンリルが走り出す音を聞いてから またシャワーをひねった 寒気に似た胸の鈍い痛みに ルーファウスは目を細めた 雨がまた 降ればいいのに 胸のうちで呟き ルーファウスは溜息をつく 洗い終わり、シャワーを止めた瞬間 大きな音が聞こえた ドアを壊し 侵入された音 足音は知っている人間のものではない 銃声が聞こえた タ−クスの銃ではない そっとガウンを着込み そこでじっと待つ 銃はバスルームにはない 雨だ どしゃぶりの雨の音が聞こえてきた 足音を確認しにくくなった環境でじっと息を潜める また大きな音が聞こえ ドアが閉められた 家の中を歩き回る足音を確認して ルーファウスはバスルームを飛び出した 「クラウド」 ルーファウスの姿を確認して クラウドは笑った 「そこにいたんだ。無事みたいだな。12人、全部やったけどよかったよな?」 ルーファウスはうなずいてから ゆっくり口を開いた 「…なぜここに?」 「予報が雨だったから」 ルーファウスは眉を潜めて微笑むと 早歩きでクラウドの元へ寄って行った クラウドの胸を掴んで 頭を肩口に乗せる 「拭いてないのか?アンタ濡れてるぞ頭」 はっと気付いてルーファウスは頭を上げて離れると クラウドはすぐにルーファウスの頭を抱き寄せた クラウドの背中に手を回し 目を閉じる 「行くのか」 「どうして欲しい?」 「…帰るな」 「わかった、居る」 「止むまで?雨」 「仕事があるから明日の朝まで」 「明日も雨だったら?」 「仕事終わったらきてやろうか」 「雨じゃなかったら?」 「…天気関係無く」 「…何故」 「あんたが俺の裾を掴むから」 「掴んでない」 「次は、シーツと間違えないで掴め」 「間違えてない」 「やっぱりわざとだったのか?」 「…」 「で、俺は必要?不要?」 ルーファウスはクラウドの服の裾を引っ張った 「コーヒー、いれるよ」 「鍋に?」 そう言ってクラウドが笑うと「勿論」とルーファウスが笑った |
たまには追いかけるルーファウスを、と思ったけど あまりかわいくならなかった件 |