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「だめだ、わからない」 おかしくなったパソコンを睨み、ジェネシスは欠伸をした 「どうする?このままにはしておけないぞ」 アンジールがパソコンを覗き込む 「誰か呼んでこいよ。コンピューターに強い奴」 アンジールが部屋を出ると、ツォンが目の前にいた アンジールはツォンを呼び止める 「どうした?」 「ああ、パソコンが動かない」 「パソコン?」 「連れてきたぞジェネシス」 「ツォン、これどうにかしてくれ」 ツォンは不可思議な表情をしながら椅子に座った 「なんだこれ、最後にいじったのは?誰が何をした?」 「俺がいじったんだが、いきなりフリーズして…」 アンジールが頭を掻きながら座る 「多少のことならなんとかなるんだが、どうもそれでは済まないみたいだ」 ジェネシスがツォンの横から画面を覗き込む ツォンはため息をついてマウスから手を離した 「あ、俺仕事だ」 時計を見てつぶやくアンジールに、ジェネシスは笑って手を軽く上げた 「行ってこい」 「ダメだな、これ修理に出さなきゃ…」 「困ったな、コピーしなきゃならないデータがあるのに…」 「バックアップとってないのか?」 「…統括に怒られるな…」 ツォンが目を細めてジェネシスを見る 「修理に出すより早い人を一人知っているが…」 「誰?」 ジェネシスは明るい声でツォンを見た 「…ルーファウス様だ。私はすぐ仕事だから、直接頼みにいけ。 たしか今日は会社にいるはず」 「…あの子供?俺挨拶くらいしかしたことな…」 「子供だと思わないほうがいいぞ。仲良くしておいて損はない。 それから無礼だけは働くなよ」 立ち上がり、颯爽と帰っていくツォンを見送り、ジェネシスは頭を抱える 「ルーファウス神羅…確かセフィロスは付き合いがあるはず…」 ジェネシスは任務で会社にいないセフィロスに電話をした 「すぐ伝えておくよ」 とセフィロスは笑って電話を切った 「入るぞ」 あまり馴染みのない声に、立ち上がりジェネシスは扉を開ける ルーファウスがジェネシスを見上げた 「副社長…」 「セフィロスから連絡を受けたんだが…」 「ええ、あれです」 「うん、どれ」 早速椅子に座り、パソコンに向かうルーファウスをジェネシスは眺める ルーファウスが振り向くと、ジェネシスを見上げた 「普通飲み物くらい出さないか?」 「…かわいくない…」 飲み物を用意しながら、ジェネシスはため息を吐く 「しかしあの子供に、直せるのか…修理に出したほうが早かったんじゃなかろうか…」 「紅茶でよかったですか?コーヒーがよかったでしょうか?」 「紅茶で」 手慣れた様子でパソコンを操作するルーファウスを眺めるジェネシスに ルーファウスが片手を上げる 「少し時間がかかるな。することあったらしてろ。仕事は?」 「ありません。今は、その中のデータをまず統括に届けるんです。直りますか?」 「…バックアップとってないのか?」 「ツォンにも言われました…」 「…だろうな…届けるの、何時まで?」 「12時です」 「…時間無いなあ…」 「起きろ」 はっ、とジェネシスが目を開くと、ルーファウスがジェネシスを覗き込んでいた 見慣れない顔にジェネシスは驚いて、すぐに思い出す 「副社長…すみません…」 「どれ、届けるデータ」 「あ…これです…」 ルーファウスは手早くデータを移し、USBを渡した 「…ありがとうございます」 「早く行っとけ」 無事に届け、ジェネシスが時計を見たら12時まであと30分 「よく間に合ったな…やるなあいつ…」 「副社長、ありがとうございます、おかげで間に合いました。 他のをバックアップとっておきますね」 「やっといた。これからは自分達でやれよ。二度目は金取るぞ」 笑いながらルーファウスがジェネシスにUSBを渡すと、ジェネシスは笑って頷いた 「お昼、ご一緒しませんか?おごらせて下さい」 ルーファウスは不思議そうな顔をして瞬きをして、ふっ、と笑った 「似合いませんね、社員食堂」 「君もな」 眺めのいい席で、仕切られた場所での昼食 「あ…」 ジェネシスが天井を見上げる 「副社長この曲知ってますか?俺、好きなんです」 流れているBGMに耳を澄ませるジェネシス 「ああ、知ってる」 「そう、セフィロスが歌ってて、知ったんですよ」 「セフィロスがか。意外だ」 「意外?歌うのがですか?」 「いや…うん、そうだな」 特にそれ以上話も広がらないまま食事を済ませた |
流れているBGMはルーファウスが聞いてた曲で セフィロスはそれを聞いて気に入って歌ったという 関係なくどうでもいい妄想。 続く |